夢の詰まったギョウザ

エンタメに振り回されてじぶんを見失いつつある

群馬県知名度No.1文豪、田谷花袋。記念文学館の企画展「KとT」に行きました


「誇る文豪、田山花袋

 
f:id:gyouzanonakaniha:20171213235037j:image旧暦明治4年12月13日、田山花袋先生お誕生日おめでとうございます!

 

 

群馬県民の魂、上毛かるた

これにより群馬県民は幼いころから強い郷土愛を自然に育てられている。

すべての札を暗唱できない者は県民ではないとすら言われるこのかるた。

 

その「ほ」の札が田山花袋

上毛かるたに詠まれる国づくりの四本柱としての1枚にこの「ほ」の札が選ばれている!(ちなみにほかの札は「つ」「ち」「ら」)大事な「ほ」です

 

群馬県内で小学生時代を送った人間は「ほこるぶんごう、あたまかたい!」と言ってふざけたこと、絶対ありますよね?

そんな群馬県民ですが、田山花袋って何書いた人?と思っている人が多い。

実際私の周りでも幼いころに上毛かるたに親しんだ標準的県民でも「蒲団」「田舎教師」の代表作のタイトルすら知っている人はほぼいない。(知っている人はかるたからの郷土情報というより一般教養として知っている感じ。)

「誇る文豪、田山花袋」の知名度だけが独り歩きしている状態である。

 

そもそも田山花袋は、幼少期の数年しか群馬に住んでないし、その群馬も当時は栃木県。

上毛かるたは公募でも読み札を募集していたが、田山花袋に関する公募は0件だったそう。

 

なぜそんな人が上毛かるたに選抜されたのか。

昭和22年当時は占領軍の政策により歴史・地理・道徳教育が禁止されていた。靖国神社のことを読み込みたいかるた制作サイドが、GHQへの隠れ蓑として、靖国神社参拝が日課であった田山花袋に目をつけて、「文豪」田山花袋を強調して載せただけという…

こうして県内知名度No.1文豪となった田山花袋

 

この話は群馬県内どこの図書館でも「群馬県民の必読書」のような顔をして郷土コーナーにいる「上毛かるたのこころ」に詳しく書いてある。

当時の努力が伺い知れて面白いので、面白かった。

おかげさまで郷土愛深く育ちました。

 

 「お前はまだグンマを知らない」にも田谷花袋の上毛かるた選抜入りの経緯が書いてあるから、読みやすいです。群馬県をよろしくお願いいたします

そんなわけで上毛かるた制作過程でのGHQとの攻防があり、田山花袋群馬県で圧倒的知名度を誇る文豪なのです!!!

 

「文豪とアルケミスト」にはまったわたし

前置きが長くなってしまいました。

そんな「誇る文豪、田山花袋」。CV:梶裕貴さんのものが聞けるとは、思わないじゃないですか。なんの話かって、文アルです!!

文豪がイケメンに転生して図書館に住んで本の浸蝕を防ぐゲームです!みんなイケメン!私の手持ちキャラの中で育てて1番目と2番目にカンストしたのが独歩と花袋です。
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 ↑うちの図書館のふたり♪

 

今回なぜ田山花袋記念文学館を訪れたかというと、企画展「KとT」のため。

Kは親友の国木田独歩のこと。Tは田山花袋

PとJK」という映画が最近あったから、そのノリで若い女子がつけた企画展タイトルかと思いきや、田山花袋の小説のタイトルだった。

告知ポスターとかのノリが軽いから、誤解もしかたないよね?ね?

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文アルは文豪たちの関係性に重きを置いているゲームで、レベルを上げてゲットできる回想が楽しいのですが、元ネタとなった史実をしるとより楽しくなる。ほんとに!

さすが(?)文豪たちの人生がぶっ飛んでいるので、史実を知れば知るほど、どんどんどんどん…

田山花袋国木田独歩の2人に焦点を当てた企画展に行けば本からは得られない情報やエピソードがある。行くしかない。

 あと企画展で使われている記念文学館のフォントめっちゃ可愛い。めがね!
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記念館・企画展感想

わたしも「改めて言われると、上毛かるた田山花袋について全然知らない…」タイプの群馬県民でした。田山花袋記念文学館、とっても勉強になりました。

 

文アルと文ストに出てきていることを推していて、玄関はいって正面にショーケースがあり、中にキャラブックが飾ってあった。

そしてショーケースの中に、文アルと「武者小路実篤記念館」が以前コラボしていた時のグッズ、アクリルスタンドの文アル武者小路実篤がいた!書下ろし絵ほしいからいずれ田山花袋記念館文学館でもコラボしてほしいな!

 

島崎藤村が死ぬ直前の田山花袋に「死ぬときの気持ちはどう?」と聞いたというエピソードは知っていたけど、デスマスクの展示の隣に大きくその時の2人の会話が表されているとまたぐっとくるものがある。

島崎藤村「この世を辞して行くとなると、どんな気がするかね」

田山花袋「何しろ人が死に直面した場合には、だれも知らない暗い所へ行くのだから、なかなか単純な気持のものじゃない」

藤村とのやり取りや、死ぬ直前に家族に「(報道陣が来ちゃったから)今死ななければ恥になる」と言っていたりと、田山花袋は死ぬことを単純な気持のものじゃないといいつつ、抵抗はせずに受け入れていたのかなと思いました。

 

TとK企画展は、展示してある書簡の解説が無料配布されているという神サービス。

「比べてみました TとK」と題して、記念館作成の独歩と花袋の人生をまとめたパネルが展示されていたんだけど、性格についての比較だけで最高だった。

独歩について

「自由奔放、楽観的、無邪気、我儘だが嫌われない」

「友達が多い。人と語らうのが上手」

花袋について

「真面目、内向的。物事を悲観的に見るタイプ」

「正義感が強く曲がったことが嫌い。頑固」

 

こんな創作もびっくりな綺麗な対比になる性格あるの…!?しかも同い年。

この2人が親友だったのがすごい。

解け合ったり離れたりするかれらの心が、此処ではまたひったりと旨く親しみあっているのをかれらは感じた。そういうときには、KにとってTが唯一の親友であると共に、Tに取ってもKは貴い尊敬すべき畏友であった。

「KとT」より

 

しかも「蒲団」のヒロインのモデルと、独歩の1人目の妻との関連もあったとか。事実は小説よりなんとやら。

 

ついでに近くの田山花袋関連史跡もめぐってきました。

田山花袋旧居、田山花袋旧居跡、田山花袋生誕地、尾曳稲荷神社歌碑とか!

次回!書きます!田山花袋先生の新暦の誕生日1月22日までにかけたらいいな!

 

文豪とアルケミスト オフィシャルキャラクターブック

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